エッサイの株からひとつの芽が萌えいで
その根からひとつの若枝が育ち
その上に主の霊がとどまる。
―旧約聖書 「イザヤ書」 11:1-3
このイザヤの預言は、ダヴィデ王の父であるエッサイの家系からキリストが現れるというもの。
枝々の頂点に聖母マリアと幼児キリストを置く図像表現を「エッサイの木」と呼ぶ。
ミュンヘンの街角の思わぬところで「エッサイの木」と思しき彫刻に出会った。
(クリックすると拡大します。エッサイの木と奏楽天使、分かりますか?)
その萌えいでるさまを見て、わたしはこの旅に携えてきたリルケ詩集の一節を思い出した。
私が親しくし 兄弟のようにしている
これらすべての事物(もの)のなかに私はあなたを見出す
種子としてあなたは小さいもののなかで日に照らされ
大きなもののなかでは大きく身を与えていられる
仕えながら事物(もの)のなかを行くことこそ
もろもろの力の不可思議なはたらきなのだ
根で育ち 茎のなかで消え
梢ではまた甦ったようになる
―ライナー・マリーア・リルケ 「時祷集」より 富士川英郎 訳
エッサイの木から通りをはさんだところには、こんな聖母子像が。
ピンボケですいません。

ドイツの街角では、よく聖母子像に出会う。
人々の生活のなかにずっとキリスト教が根付いてきたのだろう。
(注:現在のドイツはキリスト教徒が国民の7割弱で、プロテスタントとカトリックが約半分ずつの割合である。プロテスタントには「聖母崇敬」という概念はない。)
名前のわからない教会の外壁。
扉に鍵がかかっていて、残念ながら訪問はできなかった。

上からピエタ(死んだわが子を抱く聖母の哀悼)、ヴェロニカの布(イエスの顔が映しとられた布)、十字架を掲げる聖人と聖女。
イエスの足に寄り添うようにしているチビッコ天使が愛らしい。
それゆえに余計に悲しさが増しているように思う。
★★★



本当に天才です
ものをあるところまで考えつくすと
多分「諦念」にたどり着くことが多いんだけど
(違いますか?)
その諦念がものすごい安心と幸福に満ちていて
且つ、まだ冒険でき、変化することができる
ということに具体的に気がつけば
私はもっと幸せを感じられると思うんだ
梢の中で
街角にこんな素晴らしい彫刻とか、聖母子像があるなんて、いいところですねー!
毎日その前を通る人が羨ましいです(笑)
>プロテスタントには「聖母崇敬」という概念はない。
残念ですよね〜。
>イエスの足に寄り添うようにしているチビッコ天使が愛らしい。
ほんとだ(笑) 欲しいよー!
今回は持って帰れそうなレリーフはなかったのですか?
ご主人のお目にとまるものはなかったのかな(笑)
★マイメロちゃん★
>リルケっていいよね
文庫の裏の解説にこう出てました。
「実存の危機と深淵を踏み越えて変身してゆく人間の理想像を歌って…云々」
メロちゃんのコメントはリルケの魂の遍歴をずばり言い当てていると思うよ!
>多分「諦念」にたどり着くことが多いんだけど
(違いますか?)
うん。「達観」することもね。
私はそれを「委ねること」と呼んでいます。
勿論、今の自分にできることはすべてやり尽くした上でだけれど。
私たちは種子。
時が経って、おひさまが当たって、水を与えてもらえれば
いくらだって私たちは萌えいでていくことができる。
>毎日その前を通る人が羨ましいです(笑)
きっと「当たり前の風景」なんでしょうねぇ。ああ、うらやましい・・・
>残念ですよね〜。
追夢人さんは聖母が大好きでいらっしゃいますものネ。
>ほんとだ(笑) 欲しいよー!
このちびっこ、石工さんの計算によるものなのか、それともスペースがなくてちびっこになったのか どっちなのかなーナンテ想像しています。
>今回は持って帰れそうなレリーフはなかったのですか?
ご主人のお目にとまるものはなかったのかな(笑)
毎回相方の目にとまるものは一切ないです(笑)
彼の興味は音楽だけ^^;
私が感動しているから「じゃぁ、持って帰れ」と言ってるだけでして(前回のレリーフもデス)
「教会ごと持って帰れ」ということもしばしば(爆)
(それってドロボー!ていうか、ムリだし!)
何だか目がじんわり。
リルケの詩にも心洗われました。
街角のエッサイの木の彫刻。
初めてしみじみと見ました。
他のヨーロッパの国々の建築物も同様、
酸性雨によるダメージがちょっと気に
なりますが、その数は多いですし、
維持することはきっと大変なのでしょう。
目がじんわりですか?(^−^)
リルケの詩とこの旅はいろいろとイメージが重なる点が多くて、次回以降も何回か登場するかもしれません。
>酸性雨によるダメージがちょっと気に
なりますが
そうですね、外にさらされている彫刻や建築物は一目で酸性雨にやられているな、と分かるものが多いですね。
かといって美術館に避難させたら、本来そこにあった意義が失われてしまうし…難しいもんだいですね。