2009年07月02日

バイエルン国立博物館

リーメンシュナイダー以外で心に残ったものをいくつかご紹介します。

そもそも私がバイエルン国立博物館に行きたいと考えたのは「ミュンヘン美術館」という大型美術本に掲載されていた15世紀初頭のピエタ(ヴェスパービルト)に衝撃を受けたからでした。
初めて目にしたとき、胸が引き裂かれるような気持ちになりました。
このピエタはぜひ生で見たかったのです。
小さなものとばかり思っていましたが、実物はかなり大きなものでした。
うまく写せなかったのですが…↓

ピエタ

聖母

ザルツブルクのゼーオン修道院から買い取られたものだそうです。
傷だらけの死んだわが子を抱く悲痛な聖母の表情。
このスタイルは15世紀初頭にオーストリアで流行した「美しき聖母」というものらしいです。
ヴェスパービルトと呼ばれるのは、晩祷(ヴェスパー)の際にこの像の前で祈りが捧げられたことによります。

悲しみの人

このキリスト像は「悲しみの人」と呼ばれるスタイルでしょうか。
タイトルと制作年をメモするのを失念してしまいました。
「悲しみの人」とは、キリストの受難を総合的に表した聖像。
「悲しみの人」は茨の冠を被り、額からは血の汗を流している。
体は痛々しく傷つき、瞳は悲しみの色を湛え…


death.jpg

こちらもメモするのを忘れてしまいました。
獅子に乗った死。
どういう場所に設置されていたのかは分かりませんが、死の象徴でしょうか。
獅子はキリスト教美術においてキリストの復活や神の力を示しますが(翼のある獅子は福音書記者マルコの象徴)、この場合は冥界や悪魔の象徴としての獅子ではないかと推測します。

★★★

こういった残酷なまでに生生しいヨーロッパ的な肉体の表現は、生理的にダメな方も沢山いらっしゃると思います。
日本人的感覚からすると受け入れがたいような気もしますし。(私は好きですけど…)
キリスト教美術に(キリスト教自体にも)抵抗を感じる方が多くいらっしゃるのは、こういう部分に根っこがあるんじゃないかという気がします。

★★★

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posted by Fu Shusei | Comment(2) | TrackBack(0) | 芸術的呟き
この記事へのコメント
Fuさんこんにちは。
たびたびおじゃまします。

ヨーロッパの生々しい死生観は私も好きです。
でも若い子たちは受け付けない人が多いようですね。
ヨーロッパ風に慣れていないせいなのか、死が遠いところにあるからなのか。

ちょっと違いますが、チェコの人骨寺とかアウシュビッツも怖いらしく、誘っても興味のある2人しか乗ってきませんでした。
若いうちにいろいろ見ておくといいんですけれどね。

シュトゥットガルトの元お城の博物館に行かれたことはありますか?(すみません。ガイドブックを全部寄付してきたので名前がわかりません・・・)
ほとんど誰もいないので、ゆっくりとFuさんのお好きなキリスト教美術が見られますよ。
墓石や聖母子像ばかりのエリア、キリストの磔と昇天の過程をコマ送りでレリーフしてあったりと、なかなかコアなんです。

あとマイナーですが、カッセルには死の美術館があります。
企画展で、尊い死者にかぶせる冠展をやっていたのには驚きました。
フランクフルトから近いし、素晴らしいお城と庭園、美術館があるので楽しめると思います。
6月はバラ園が綺麗ですし、特にお勧めします。
Posted by りりか at 2009年07月02日
★りりかさん★

コメントありがとうございます(^−^)

>死が遠いところにあるからなのか。

私もそう感じます!
今はリアルな「死」自体が目隠しされています。
なのにゲームやホラー映画などのヴァーチャルなニセモノの死はそこここに溢れ、リアルな死は軽んじられています。
何年前だったか、文部省の調査で「人は死んだら生き返るか」という質問に対して、なんと対象となった集団の3割の小学生が「生き返る」と答えたそうです。
勿論、キリスト教的な意味の体の復活ではなくて、医学的な「蘇生する」という意味で。
昔は家におばあちゃんやおじいちゃんがいて、家で死を迎えることも多かったし、私も自分によく似た祖母の死に接して「死ぬ」ということの意味を知りました。
死ぬことを知るということは即ち生を知ることだと思うんですけどね…。
大学の時に死の図像学研究をされている先生に出会ってから、ますますヨーロッパ的な死生観にのめりこみましたが、先生の著書にあった「死を、生の否定や現実からの逃避といったネガティヴな意味でとらえるのではなく、生をまっとうとすること、また生の結実としてとらえられるようになった」という言葉は年々重く感じられるようになりました。

>チェコの人骨寺

クトナーホラ、行かれたんですか!?
すごーく行きたいんですけど、行ったら3日くらいうなされそう…(写真だけでもかなりのインパクトです。)

>墓石や聖母子像ばかりのエリア、キリストの磔と昇天の過程をコマ送りでレリーフしてあったりと、なかなかコアなんです。

あうあう、いきたーーーーーい。
もしかして、ヴュルテンベルク州立博物館ですかね。
なんとか相方を誘い出そうとして「シュトゥットガルト放送響を現地で聴きたくない?」と聞いたら「別に…」とスルーされました(涙)
こうなったら、またホテルの宿泊券を当てるしかないかな(笑)
カッセルも通ったことはありますが、降りたことはないですね。
というかフランクフルトも、いつも出入国の一日だけで、ゆっくりしたことがないのでした。
hr交響楽団のコンサートに行くのとDomに行く以外、ろくに見てません(またまた涙)
Posted by Fu Shusei at 2009年07月03日
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