
これはドイツの象徴主義の定期刊行物「クウィックボルン」誌の表紙として、ムンクが描いたものである。
苦痛に苛まれる男の心臓からは血が流れ、それは大地の養分となり、美しい花を咲かす。
幼いころから、家族の病気や死に直面し、自身も統合失調症に苦しめられたムンク自身を表しているよう。
ムンク美術館のサイトの説明によると、ムンクは次のように語っていたという。
「すべての芸術、音楽のような文芸は、人の心臓の血から生み出されるものでなくてはならない。芸術とは、人の血なのである。」
自分自身の苦しみや恐怖や混沌を描いてきた彼らしい壮絶な言葉ではないか。
★★★
ふとこれまでの自分の人生を振り返ると、肉体的な意味でのPain(痛み・苦痛)というものと、なんと親しくしてきた道程だったろうと思う。
そんな痛みなら私にもあるよ、と思われる方も多いと思う。
痛みに苛まれている人は意外と多いのだ。
10年前、顎関節症が悪化したときには、体全体にひどい影響を及ぼした。
耐えがたい痛みは、顎から、首、背中、腰、しまいには足の踵にまでおよび、たった10分の距離を歩くことすら困難になった。
顎関節の治療は100万円近くかかり、ただでさえ長い馬面がさらに1センチ長くなってしまったが、顎が正常な位置に戻ったとたん、あれほど私を苦しめてきた痛みは嘘のように消えてしまった。
痛みがないというのは なんと快適なことだろう!と感激すると同時に、痛みというものがいかに人のQOL―Quality of Life・・・「生活の質」―を下げるものかということを思い知った。
群発頭痛のことは以前「Theatre of Pain」という記事で書いた。
この病気は年とともに寛解していく傾向があるらしいのだが、どうやら私も寛解を迎えつつあるようだ。
人間が生きているうちに味わえる三大苦痛のひとつであり、その痛みは出産に匹敵するという、あれほどの痛みは、この2年経験していない。
群発頭痛独特の、目をえぐられるような感覚は、お酒を口にしないかぎり(苦笑)ほんの1週間程度で治まってしまう。
1〜2か月は続いていた過去を考えると嘘のようだ。
胃痛も同様。
ストレスが重なると胃痛。
ちょっと多めに食べるとすぐに胃痛。
そのため、若いころはとてもスレンダーだったのだが・・・恒常的な胃痛から解放された今はすっかり体全体が丸くなった(笑)
QOLが低くなると、肉体の苦痛だけでなく心にも苦痛を及ぼす。
基本的な生活(家事・仕事)ができなくなるだけでなく、人間関係にも影響を与える。
痛みによって家事や仕事ができなくなると周りからの評価は下がるし(周囲が病気に理解を持っている場合はこの限りではない)、人との約束も頻繁に破ることになるので(痛みが突然やってくるので、ドタキャンが多い)信用をなくす。
そして貴重な時間がどんどん痛みに浸食され、やりたいこともできない。
肉体のPainが心のPainに変容し、心まで蝕まれていく。
相変わらず頭痛持ちで、365日のうち頭痛が全くない日はおそらく10日もないという生活がもう20年近く続いているが、それでも私のQOLは確実に向上している。
病状自体がよくなったことに加え、最初は私の体調の悪さに冷淡さしか示さなかった相方(かつて彼は「気合いが足りんから病気になるのだ!」という無茶苦茶な精神論を振りかざしていた。)が、少しずつではあるが病気に理解を示してくれるようになったことも大きい。
なんとありがたいことだろう。
しかし このありがたみも、強い痛みからしばらく遠ざかっているとついつい忘れてしまう。
10日ほど前だっただろうか。外出先で突然強烈な頭痛と生理痛がダブルパンチでやってきて、あまりの痛みに気を失うかと思った。
(うずくまっていたら、相方が水と鎮痛剤を買いに走ってくれたので、なんとか凌げたのだが。)
そして、一昨日から昨晩にかけてのひどい頭痛と胃痛・・・どうして単独ではなく、両方一緒にやってくるんだ?・・・
強い痛みを久々に経験して、思い出すのである。
痛みがないことのありがたみと周りが理解してくれることのありがたみを。
私はムンクのような芸術家ではないので、苦痛の花を芸術として咲かすことはできない。
しかし、周囲の理解に感謝をすることはできる。
そして、同じ痛みを持っている人と心の痛みを共有することはできる。
態度と生き方で、私の苦痛の花を咲かせてみたいと思うのだ。
★★★
★★★
acquaさんからお借りした「キリストの祭り」という本に、頭痛の守護聖人「聖イヴェルタン」の写真が出ていて、この聖人のことが気になっている。
ネットで探してみたら、幾つかみつかった。これとかこれとか。
どれも痛そうである・・・そうそう、こんな感じなんだよ。
この聖人にすっかり親しみを持ってしまった私は聖像が欲しくなり、いろいろ探したのだが、フランスのサイトの通販しかみつからなかった。
日本への通販は残念ながらしていないようである・・・フランスのモンコントゥールまで買いに行くしかないのだろうか(涙)
上記のサイトによると、中世では頭痛はその人の犯した罪によって起こるものと考えられていたそうで。
そしたら私は罪だらけじゃないか・・・ちょっとひどい話だ。
だから頭痛持ちの人々は治療のために必死に祈ったのだそうです。
聖イヴェルタン、神様への取り次ぎにさぞかし忙しかっただろうなぁ(笑)


2つめの彫像は味わい深いですねぇ。
イタリアであるようだったら、10月に頼めるよ〜
あとはフランスの信者さんに聞く。
私も探してみるね。
しかしあの祭りの本、痛み満載でしょ。
なんであの本が私の手元にあって、
精神的な痛みの連続だった今までのことが
Fuちゃんの記事で妙な共鳴してます。
そっか、取り次ぎの多さで頭が痛くなってたのか(笑)
どうも地方色の強い聖人みたいで、名前のつづりもありとあらゆる可能性で検索してみたのですが、フランスのサイトばかりひっかかるのですよ。
ドイツでもよく、一地方で同じ聖人の姿ばかり見かけるのだけど、その地方を出るとまったくというほど見掛けないという聖人がいたりして…(地元以外にはあまり知られていない聖人^^;)ヨーロッパではそういう傾向が強いのかもしれないですね。
アシジに行くとフランチェスコの聖像ばっかり売っているように、きっとモンコントゥールに行ったら沢山聖イヴェルタンの聖像が並んでいるんですよ(笑)
ああ、でも人より強いのかなあ
回避する努力は人一倍です
麻酔とか鎮痛とか怖くないし笑
私も最近、頭痛から解放されてるよ
もう自分を頭痛持ちとは呼ばなくていいんじゃないかと思うくらいだよ
更年期にもう一度くるって(くるって・・)
言われてるけど(没)
メロちゃんの片頭痛は一時期かなりしんどそうだったよね。
今は頻度が減ってるのかな。それは何よりです。
トリプタンの認可が降りて、片頭痛患者のQOLはかなり向上したようだけど、一回分300〜400円ってのはきついよなぁ。
私はビタミンB剤とやる気の出る劇薬^^;を飲んでなんとか日々の生活や家事をこなしてます。(こなせてないか・・・)
薬を飲むこと自体がイヤというより、薬にお金がかかるのがイヤだというシブチンデス(笑)
回避する努力は大変よね。
群発頭痛の場合、群発期の前に予防薬としてカルシウム拮抗剤という狭心症の薬を飲むのだけど、血管を広げるから、血圧がすごく下がる。
これを飲むと体がものすごくだるくなるのがつらいです。
>更年期にもう一度くるって(くるって・・)
やっぱりホルモンと大きい関係があるだろうね。
頭痛の頻度が減ったのって、もしかして、出産してからではありませんか。
私の毎日の頭痛も更年期かなぁ。
この前の婦人科の検査でも先生は遠慮なく
「片足突っ込んでますからね〜」
出産しないとやっぱりホルモンの影響受けやすいらしい。
女は子を産むために造られているんだもんねぇ...
出産経験のない人、一人のみ出産の人はリスクが高いといいますものね。
お互い 婦人病には気をつけませう。
一種の快楽も垣間見えてしまうのは何故だろう?
タッチの関係かなぁ?
最近 絵画系の本買い漁り〜
未だムンクの素晴らしさがよくわからないuna
カラヴァッジョのようなのが好きだからかな?
でも色々な絵画で目の保養してます
また何かリクエストしてもいい?
Fuたんの時間&気がむいた時でいいからね〜
さて 何をリクエストしようかな♪
自己を昇華させるカタルシスが快楽でもあるのですよ、きっと
私も今一冊の美術書が頭から離れない。
昨日 近所の本屋で出会ってしまったの。
ああ、でも今月 本を買いすぎだし・・・
どおしましょおおおおっ!
ムンクは好き嫌いがありますからね。
あと、そのときの自分の感性によっても、好きな絵は変わりますよ。
リクエストどうぞ。
ただしあまりに難解なのは分からないよん(笑)
キリスト教とギリシア=ローマ神話系なら多分大丈夫(笑)
10月からちょっと忙しくなるので、早めにリクエストいただけるとうれしいです。
今 書くのを予定しているのは、「女と生首」シリーズのシメとギリシア神話の魔女メデイア、ラファエロなんかです。