★★★
■「アッシジの聖フランチェスコ(フランシスコ)と天上のメロディ」
フランク・カドガン・クーパー 1904年
そのとき、フランチェスコは、あまたの小鳥がむらがっているのを見て、近づいていった。それでも小鳥たちは、いっこうに飛び立とうとはしない。「最後のラファエル前派」フランク・カドガン・クーパーの描く聖フランチェスコは、人間と等しく神の創造物、つまり人間の兄弟姉妹である鳥たちとともに、天使の奏でる天上のメロディに耳を傾けています。
フランチェスコはよろこびに溢れ、小鳥たちに向かって、「兄弟よ」と呼びかけ、神をほめたたえ、神を愛することの貴さについて説教をこころみた。フランチェスコは、かくも従順で謙遜な聴き手に向かってこれまで説教をしなかった自分の怠慢を責めずにはいられなかった。その自責に近い思いの背後には、神の恵みにあずかりながら、神について考えることも聴くこともしない不信の人間たちへのあわれみがあったのかもしれない。
以上のごとき奇蹟は、前述したように彼が生来備えていた動物に対する特殊な能力によるのでもあろうが、もっと深く彼の内面に眼をそそぐと、そこには神の創造による万物をすべてわが同胞と見、親しむ宇宙的な感情が伏在していたのではないかという気がする。
(中略)
小鳥たちに向って説教したときのフランチェスコの態度は、この上なく親孝行で家族思いの深い長兄が、頑是ないいたずら盛りの弟や妹たちに、どうかして父母の愛情の深さを知らせようと苦心さんたんしている姿と見ることができよう。
―「アッシジの聖フランチェスコ考」 鈴木二郎 著 より引用
耳には聞こえなくても、心を傾ければ、あなたにも聞こえてくるかもしれません。
聴こうとする気持ちが弱いせいでしょうか、今の私にはまだ遠く微かな音にしか聞こえません。
でも、確かにそのメロディが奏でられていることを、私は知っています。
この作品では、鳥たちは白い鳩として描かれています。
鳩は神の愛の力とでもいうべき聖霊の象徴、純潔の象徴、そして平和の象徴でもあります。
★★★
「聖フランシスコの祈り」 (平和のための祈り)
あなたの平和のためにわたしを役立たせてください
憎しみのあるところに愛が
争いのあるところに、和解が
分裂のあるところに一致が
疑いのあるところに信頼が
誤りのあるところに真理があるように働かせてください
絶望から希望へ
悲しみから喜びへ
闇から光へ
わたしたちを歩ませてください
神よ
慰められることよりも慰めることが
理解されることよりも理解することが
愛されるよりも愛することができるようにさせてください
与えることによって与えられ
ゆるすことによってゆるされ
あなたのためにいのちをささげることによって
永遠のいのちが受けられます
※この祈りにはさまざまな「訳」がありますが、
私がいちばん好きな訳を掲載させていただきました。
★★★
歴史としてはまだ新しく、20世紀になってから ある神父によって作られたものだということですが、聖フランシスコの精神をよく表わしたものとして「聖フランシスコの祈り」と呼ばれているそうです。
「聖フランシスコの祈り」は、私の大好きな祈りです。
祈りなんて無力。祈っている暇があるなら行動しろ・・・そう思われる方もたくさんいらっしゃるでしょう。
勿論、行動することは必要。
でも、祈ることは全く無駄なことでしょうか?
私はそうは思いません。
「小鳥たちは特定の時間に特定の歌をうたうようにされていません。わたしたちはどうか小鳥たちみたいに、わたしたちの信心をあらわしたいと念願しています。掟や規則ではなくて、ただ愛のゆえに、全き自由と単純のうちに、祈り、歌いたいのです。」
―20世紀の、あるクララ会女子修道院長のことば (前述の本より引用)
右上の作品は、フランシスコ・スルバラン・イ・サラサルの「聖フランシスコの幻視」(1660年頃)です。
ミュンヘンのアルテピナコテーク(旧絵画館)でこの作品に出会いました。
当たり前ですが、私は聖フランシスコの顔を知りません。(12世紀の方ですから・・・ 笑)
でも、聖フランシスコの眼はきっとこんなふうだったろうと感じました。
彼の抱える頭蓋骨は、死すべき運命にある人間を表わしています。



トラックバックありがとうございました♪
こちらから3つもTBしちゃってすみません(笑)
小鳥のようにただ愛のゆえに、全き自由と単純のうちに、祈り、歌いたい
クララ会女子修道院長の御詞に胸を打たれました。
ずっと心に刻んでおきたいです。
「聖フランシスコの祈り」に曲はついていないのでしょうか?
フランク・カドガン・クーパーの絵♪
新鮮な気持ちになります!
今まで見たことのある他の絵とは一味ちがいますね(笑)
ご紹介くだり、ありがとうございました。
追夢人の天使堂のブログでも絵をご紹介したいです。クリックした方の画像をいただいてもよろしいでしょうか?
ところでクーパーさんも聖フランチェスコに所縁のあるフランクがついているのでしたね♪
古い祈りの歌をCDにして販売してます。
オリジナル曲も収録されていて、
子どもから大人まで楽しめる1枚です。
実家にあるんだけれど...タイトルうる覚え(^^ゞ
TBありがとうございます♪
>クララ会女子修道院長の御詞に胸を打たれました。
この記事に「小鳥たちみたいに」というタイトルをつけた理由を汲み取っていただけたようで、とても嬉しいです(^^)
>「聖フランシスコの祈り」に曲はついていないのでしょうか?
私もまだ聴いたことはないのですが、検索したらありました。
「高田三郎の典礼聖歌I 」の25曲目
Amazonでも買えます。 試聴できないのが残念なのですが。
どんな曲なのかな〜。
高田三郎さん作曲のほかの曲の入ったCDは持っているのですけど、これは入ってません。
祈りとは別ですが、リストの「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」なんて曲もありますよ。
聖フランチェスコのオペラも〜。これもまだ聴いたことがありません。
>クリックした方の画像をいただいてもよろしいでしょうか?
勿論です!
いい絵なのに意外とマイナーですので、どうぞ良さを広めてください♪
古い絵葉書からスキャンしましたので、ちょっと黄ばんでるかもしれません^^;
>聖フランチェスコに所縁のあるフランクがついているのでしたね♪
おフランスつながり〜。
面白いページをみつけましたよー。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112676801
ちなみにスルバランは「フランシスコ」でそのものずばりです。
ところで急ぎの仕事が入りましたので、しばしの間コメント書きに伺えないかもです。。。
情報ありがとうございます!
そのCDにも入っているんですね。
>オリジナル曲も収録されていて、
オリジナル曲!?
信者のかたが作曲されたのでしょうか?
>子どもから大人まで楽しめる1枚です。
カワイイ聖歌もありますね。
バス・バリトンのダンディなおじさまが
「なあぜ♪」とか渋ーい声でかわいらしく歌っているのを聴くと
ついうっかり吹きそうになってしまう私です・・・ごめんなさい、おじさま。
>実家にあるんだけれど...タイトルうる覚え(^^ゞ
またいつか教えてくださいネm(__)m
シンクロできたようです(^^)
>検索したらありました。
>「高田三郎の典礼聖歌I 」の25曲目
お忙しいのに検索してくださったのですねぇ。ありがとうございます。
25曲目ですか! そこまでよく見つけられるものですね。凄いです!
>リストの「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」なんて曲もありますよ。
>聖フランチェスコのオペラも〜。
へー! 音楽にはまるきしご縁がなかったのですけれど、こういう機会にCD屋さんに入ってみます♪
>いい絵なのに意外とマイナーですので、どうぞ良さを広めてください♪
マイナーなんですか? マイナー志向の追夢人には掘り出し物です(笑)
>古い絵葉書からスキャンしましたので、ちょっと黄ばんでるかもしれません^^;
そうですか? ぜんぜん気がつきませんでしたけれど、問題ないです(笑)
>おフランスつながり〜。
>面白いページをみつけましたよー。
お〜〜、ひょんなことから深みにはまってはいませんか(爆)
>ちなみにスルバランは「フランシスコ」でそのものずばりです。
おぅ! フランシスコ・デ・スルバラン作の『無原罪の御宿り』も好きです♪
>しばしの間コメント書きに伺えないかもです。。。
プチショックですけれど、お仕事は優先です! でも一息つきたいときにはぜひ(笑)
>古い祈りの歌をCDにして販売してます。
情報ありがとうございました♪
自由が丘まではよく行っていましたが、田園調布はまだ一度も行ったことがありませんでした。田園調布に行く機会があったら教会を覗いてみようかな(笑)
こんなに男前ではないので愕然としました
(なんちゅうとこに着目しとんや!笑)
カルメルの院長から頂いたものなんですが
そりゃもうブサイクなカッパみたいな顔で
頭のテッペンは剃髪してカッパみたいやし
写メで送りますから
どうぞお逢いになってみて下さいまし〜
田園調布のCD聞いてみたいですね
再コメントありがとうございます♪
>そこまでよく見つけられるものですね。凄いです!
検索マニアです(笑)
・・・というか(かつての)仕事柄でしょう。
>お〜〜、ひょんなことから深みにはまってはいませんか(爆)
はまってます〜。こういうの大好きで^^;
早速図書館から「黄金伝説」を借りてきて、彼の名前についての記述を調べてみました。(本は高いので、自分では買ってません^_^;)
追夢人さんから名前についての話題をいただかなかったら、意識しないままだったことがいっぱいあったかも。
ありがとうございます。
いろいろ面白いことが載っていたので、他のフランシスコの絵とともにまた記事にしたいと思います。
>おぅ! フランシスコ・デ・スルバラン作の『無原罪の御宿り』も好きです♪
2作品知ってますけど、お好きなのはどっちのほうかしら。
白いドレス&青マントのほうと、もうちょっと渋めの色調のほうと。
いずれにしろ、ムリーリョの「無原罪の御宿り」の聖母とは、表情がまったく違いますね。
瞑想的というか。個人的にはスルバランのほうが神秘的で好きだったりします。
>教会を覗いてみようかな
お御堂は遅い時間でない限り開いています。
誰にでも開かれた場所ですので、自由に入れます。(信仰を強要されることは絶対にありませんのでご安心を。逆に誰からも声を掛けられることもなかったりして拍子抜けするかも 笑)
私もまだ入ったことはありませんが、カトリック神田教会なんて、きっと追夢人さんが「キャー!」ってなっちゃうところだと思います。TVで見て感動しました。家の母まで「素晴らしい!」の連発でした。
★unaさん★
カッパちゃん(爆)の写真ありがとうです♪
携帯がダメダメでごめんなさい^^;
(意外と文明化されていない生活をしてるのですよ、私 笑)
>こんなに男前ではないので愕然としました
あははっ
でもザビエルはげ・・・じゃなくて・・・トンスラ頭だと誰でも・・・ねぇ・・・。
(↑日本の守護聖人になんてことを!)
トンスラは30ウン年前に廃止になったそうですね。
そうだ、unaさん「修道士ファルコ」っていう青池保子さん(「エロイカより愛を込めて」の作者)の漫画はご存知ですか?
ドイツのシトー派修道院が舞台で、頭にキスマーク型の痣があるので剃髪できないイケメン修道士が主人公。
超面白いですヨ!
>追夢人さんから名前についての話題をいただかなかったら、意識しないままだったことがいっぱいあったかも。
>ありがとうございます。
いえいえ滅相もありません。もともとの震源はFuさまご自身ですし、そのはかり知れないマグニチュードが放出されたらどうなってしまうのでしょうか(笑)
>いろいろ面白いことが載っていたので、他のフランシスコの絵とともにまた記事にしたいと思います。
フランシスコについてもう少し知りたいです♪ 期待していますよー!
>2作品知ってますけど、お好きなのはどっちのほうかしら。
両方ともすきですよ〜♪ コメントしたときに作品を特定しようとしたのですけれど、絞れませんでした(笑)
強いていえば、白いドレス&青マントのほうが清楚で「無原罪の御宿り」の聖母をイメージしやすいです。ちょっと渋めの色調のほうも神秘的で好きです。
ムリーリョの「無原罪の御宿り」の聖母より、お顔の表情が少しお姉さまという違いはありますけれど、全体的には似た印象を追夢人は受けているのですよ。
ただ渋めの色調のほうはムリーリョにはない瞑想的というか秘教的な雰囲気も感じますね。
天使堂の2回めの記事にムリーリョの「無原罪の御宿り」の聖母の部分の写しを載せています。このマリアさが好きで原画を探していて、たぶんこれだろうというのは見つけてはいるのですが、なぜかしっくりこないんです(爆)
>カトリック神田教会なんて、きっと追夢人さんが「キャー!」ってなっちゃうところだと思います。
キャー!←行く前からどーする(爆)
教会を巡りたくなってきました。だいぶ前にステンドグラスが美しい教会を教えていただいたことがあるのですけれど、何処だったか忘れてしまって…(^^;
カトリック神田教会、2年くらい前に何度か前を通っています。先週も時間があまりなかったですけれど、神保町に寄ったりして近くまで行くことはよくあるので入らせていただいてみます。おしえてくださってどうもありがとうございました♪